130年以上の歴史を誇るスウェーデンを代表するナイフブランド「モーラナイフ」。そのラインナップの一つ、クラフトシリーズの定番モデル「ベーシック546 (S)」の2023年限定カラーが5月19日(金)に発売となります。
BASIC 546 Limied Edition 2023 (S) / ベーシック 546 リミテッドエディション 2023 (S)
モーラナイフのクラフトシリーズの定番モデル「ベーシック 546 (S)」。リミテッドエディションはモーラナイフがその年にしか出さない限定カラーモデルです。その価格は、なんと一本1,595円(税込)。モーラナイフの中でもさらに購入しやすい価格となっており、コストパフォーマンスに優れ、ツールとして気兼ねなく使用できるナイフです。
※モーラナイフ「クラフトシリーズ」とは
スウェーデンでは建築や電気工事などでナイフを使用することも多く、業務や用途に応じて様々なナイフを使い分けています。クラフトシリーズは家庭でのDIYから日常の軽作業、アウトドアでの工作まで幅広いニーズにマッチした豊富なラインナップが特徴で、個性豊かなモデルのナイフがたくさん。価格も1,500〜2,000円代と低価格帯のものが揃っており、高いコストパフォーマンスの知る人ぞ知るナイフです。
▶︎驚くほどリーズナブルな価格の秘密
驚くほど安い価格の秘密の一つはスパイン(ブレードの背部)。モーラナイフの他のシリーズとは異なり、クラフトシリーズはスパインの仕上げ処理を省くことで加工コストを抑え、よりリーズナブルな価格を実現しています。安全性・実用性には支障ないため、価格が安い理由としては嬉しいポイント。※ファイヤースターターは使用できません。
もう一つの秘密はハンドル。モーラナイフの他シリーズと異なり、ハンドル素材に「プラスチック」を使用することで、コストを抑えての製造を可能にしています。プラスチックハンドルによってナイフ重量も軽くなるので、持ち運んだり、ツールボックスに入れておいても重さが気になりません。
▶︎低価格でありながら切れ味は申し分ないシャープなブレード
リーズナブルな価格でありながら、スカンジグラインドの切れ味抜群のブレードはさすがのモーラナイフ。ステンレススチールのためサビにも強く、使う中でナイフを濡らしても安心。厚さ約2.0mmの薄くシャープなブレードで、「切る」「削る」といった日常作業はもちろん、アウトドアでのフェザースティックづくりや食材のスライスなどにも十分使えてしまう一本です。
▶︎「スマートボタンシステム」でナイフの連結が可能
クラフトシリーズに共通した特徴の一つが「スマートボタンシステム」。シースにある凹凸部分をつなげれば、2本以上のナイフを連結させ、バラつかせることなく携行することができます。
連結したまま腰ベルトや工具袋などにフックさせることで、用途の異なるワークナイフを取り替えながら作業する時にとても便利。ハンドルのカラーによって、どのナイフかを瞬時に判断できるようになっています。
▶︎2023年限定カラー「ダーラレッド/イエロー」2023年限定のカラーは「ダーラレッド / イエロー」。どこかレトロさを感じさせる、クラシックな雰囲気のあるカラーリングとなっています。ダーラレッドはスウェーデンそしてダーラナ地方の歴史と伝統を象徴する色で、街の建物の外壁などにも多く使用されています。モーラナイフの歴史にとっても重要なカラーで、1912年以降モーラナイフが作るナイフのハンドルにもこの色が使われるようになりました。
もう一色のイエローは、モーラ中心部にある「Zorngården(ソーンガーデン)」の美しい黄色い建物からのイメージ。この建物はモーラ出身の芸術家「Anders Zorn(アンデシュ・ソーン)」が海外滞在中にその国々の建築物などからインスピレーションを受け、帰国後に自身で設計し1910年に自宅として建てたもので、当時のモーラの街並みにはなかった構造・カラーの革新的な建造物でした。モーラの歴史を創ってきた一人として今もなお愛されています。
▶︎モーラナイフの名作「コンパニオン (S)」と比較してみると
モーラナイフの代名詞とも言っても過言ではない名作ナイフ「コンパニオン」。低価格帯のラインナップとして両モデルを比較し、ベーシック546(S)のポイントについて見ていきます。
ベーシック546 (S) | コンパニオン(S) | |
刃 長 | 約91mm | 約104mm |
刃 厚 | 約2.0mm | 約2.5mm |
刃素材 | リサイクルステンレススチール | リサイクルステンレススチール |
ハンドル | プラスチック | ラバー |
シース | プラスチック | プラスチック |
価 格 | ¥1,595(税込) | ¥2,200(税込) |
◯刃長
ベーシック546(S)は刃長が少し短めのため、より手元でのコントロールがしやすく、小回りの効いた細かな作業に向いています。一方、リーチの長さを活かして大きめの食材を切ったり、フェザースティックで長めに削ったりといった点はコンパニオンが◯。
◯刃厚
前述のとおり、ベーシック546(S)は、刃厚約2.0mmと薄めのブレードのため、シャープな削りや食材のスライスなどに◎。バトニングは耐久性などを考慮すると刃厚がより厚めのコンパニオンで行う方がベター。
◯ハンドル
ベーシック546(S)のハンドルは少し丸みのあるバレル型で、握り込みがしやすく、しっかりとしたフィンガーガードが付いているため、より安全に使用できます。材質はプラスチックのため軽さは◯ですが、コンパニオンのラバーハンドルと比べてグリップ性は低くなります。
▶︎結論:ツールボックスに一本揃えておいても間違いないナイフバトニングなどハードな使用を想定せず、薪などを削ったり、食材を切るなどの用途であれば、アウトドアでも十分に使用できる「ベーシック546(S)」。低価格で高いコストパフォーマンスを誇る名作コンパニオンと比べても約600円安く、日常の作業やアウトドアでここまで十分に使えるナイフを、ツールボックスに一本揃えておいても間違いないかもしれません。
▶︎モーラナイフ公認アンバサダー 長野 修平氏に聞く「ベーシック546 (S)」
アジア唯一のモーラナイフ公認アンバサダーであり、ネイチャークラフト作家としてモーラナイフのクラフトシリーズを数多く使用する長野修平氏に「ベーシック546 (S)」について伺ってみました。ベーシック546 (S)はモーラナイフの中で最も使いやすいナイフの一つ。初心者向きとも言えますが、実は日常的にナイフを使う人に使いやすさがわかるナイフだと思います。
◯ブレード
サイズと形状バランスから多様性が一番と感じます。軽さや厚みに加え、刃幅がやや狭い形状のため、フィールドやDIY木工、ウッドカービングなど細かな作業でも使いやすいです。ステンレス製なので、日本の高湿下でも気にせずに使用できるのも嬉しい。モーラナイフのステンレス刃の切れ味と耐久性は最高位に匹敵すると思います。
◯ハンドル・シース
ハンドルは手にとてもフィットし、フィンガーガードとエンドガードの両方があるので、どのような姿勢でも安定して安全に使えます。グリップエンドの部分は木槌などで叩いて刃を打ち込んだりするのに使っていて、DIYや木工をする自分にとっては嬉しい限り。シースはナイフを連結可能で、簡単にベルトに装着でき作業中に外れたことはありません。
◯カラー
毎年どんな限定カラーが出るか楽しみで、普段作業するのに履くウェアに合わせてナイフのカラーを選んでいます。2023年のカラーはモーラナイフの象徴でもあるダーラレッドと、フィールドや工房などでも目立つイエロー。視認性の高さから様々な道具にイエローを選んでいる自分にとってはとても嬉しい組み合わせです。
◯総論
ベーシック546 (S) はとても優秀でDIYやクラフト、フィールドなど様々な場面でさっと使える常用ナイフ。モーラナイフの中でも最も安い価格帯で、何にでもナイフを使用する自分にとっては欠かせないモデルの一つです。ただ、様々なアクティビティを突き詰めた場合には、より専門性の高いナイフを別途使用する必要があるので、他のナイフとも組み合わせて使用してみてください。
BASIC 546 Limied Edition 2023 (S) / ベーシック 546 リミテッドエディション 2023 (S)
◯価格:¥1,595(税込)
>ONLINE STORE ※2023年5月19日(金)発売
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MORAKNIV / モーラナイフ
スウェーデン中部のモーラ地方で生まれた「モーラナイフ」は130年の歴史を誇るナイフブランド。その品質はスウェーデンを代表する企業のみに与えられる王室御用達の認定を受けています。アウトドアやウッドカービングをはじめ、あらゆる用途に応じた幅広いラインナップから、あなたの身体の一部となるナイフがきっと見つかるでしょう。
◯長野 修平(ながの しゅうへい)アジア唯一のモーラナイフ公認アンバサダー。ネイチャークラフト作家&アウトドア料理人。自然素材や古材を使った生活具の制作や山菜&焚き火料理人を得意とし、雑誌・WEB連載、ワークショップ講師などで活躍中。