【アウトドア防災】もしもにつよい私になる「もしかま 」イベントレポート

2024年2月10日(土)から12日(月・祝)の3日間にかけて、アウトドア×防災イベント「もしかま 2024」が開催されました。


もしかまとは、鎌倉の地域コミュニティーFMである鎌倉エフエム放送が立ち上げ、「もしもにつよいかまくらをつくろう」を合言葉に、自助力向上と鎌倉の地域防災力強化を目的として2023年からスタート。もしかまプロジェクトでは鎌倉に拠点を構える各アウトドアブランドや、地域企業、町内自治会、行政などと連携し、防災スキルを楽しみながら学べるイベントの実施や、暮らしのなかで防災を実践できる方法を発信するFMラジオ番組の企画運営を行なっています。

今回開催されたもしかま では、年始に起きた能登半島での震災を受け、より一層実践的な内容にと、特別講師による基調講演や、鎌倉の豊かな自然を舞台とした火や水にまつわるフィールドワーク、アウトドアの専門家たちによる自主避難を想定した野営プログラムなど、3日間で全29プログラムが展開されました。

▲基調講演は総合地球環境学研究所 前所長(名誉教授)/京都気候変動適応センター長 安成 哲三氏

▲アウトドアライフアドバイザー 寒川一氏による非常時に水を確保して生き延びるための鎌倉の水にまつわるワークショップ

▲もしかま ディレクター滝沢守生氏とシナリオトレーニング もしかま防災野営! 非常用持ち出し袋のみを持って、1泊2日の本気の野営プログラム!

その中でUPI防災でも掲げている、「“アウトドア防災=アウトドアを通じて防災に活かせるスキルを楽しく学ぶ”」を通して私たちもイベントに参加してきました。

水にまつわるワークショップでは、アウトドアライフアドバイザーの寒川一さんに「安全な水を手にいれる方法」をレクチャーいただき参加者の皆さんと浄水体験。自然の水とはどういうものなのか、どうすればより安全な水を得られるのかを一緒に学び、自分で浄水した後の水に「本当に綺麗になったのか?!」と目を見張る子どもも、実際に学び、体験した後にはワークショップ前よりも少し自信もつき、生き生きとした表情が印象的でした。

他にもUPIブースでは着火体験も実施。どういう原理で火が付き、火が起こせるのか、実際にアウトドア用品を使って火の作り方を体験。大人も子どもも一生懸命に、どれだけ時間がかかっても絶対に諦めない!それぞれがファイヤースターターと麻紐や自然の燃料で火が起こせるまで取り組みました。

鎌倉と湘南を中心とした、「もしもにつよい私になる」ためのプロジェクト、もしかまは2年目を迎えより多くの人に”アウトドア防災”を体験いただける機会が増えています。

イベントでは今年初めての取り組みとして、鎌倉に来た観光客も街歩きをしながら気軽に地域防災に参加できる「もしかまハイク&スタンプラリー」も実施されました。地域の人だけではなく、観光客にも災害時の行動を想像してもらえるようにと、各所にスタンプラリースポットが設置され、自分の足で歩いて鎌倉の地形を体感できる仕掛けづくりも行われていました。

大人も子どももみんなが一緒に考え、話を聞き、手や足を動かして学び、「もしもにつよい私に成長する」。そんな人が1人増え、2人増え、、鎌倉市が湘南が、そこに居合わせた全ての人がもしもの時に自然と共存できる日を目指し、UPI防災もこれからも皆さんと一緒に学び、成長していけるよう、努めていきたいと思います。

TEXT:YUIKO INOUE
PHOTOGRAPHY:YUKA NAMBA

 

寒川 一(さんがわ・はじめ)
寒川 一(さんがわ・はじめ)

1963年生まれ、香川県出身。アウトドアライフアドバイザー。TAKIBISM ディレクター。アウトドアでのガイド・指導はもちろん、メーカーのアドバイザー活動や、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディア出演など、幅広く活躍中。とくに北欧のアウトドアカルチャーに詳しい。東日本大震災や自身の避難経験を経て、災害時に役立つキャンプ道具の使い方・スキルを教える活動を積極的に行っている。