使い方は無限大!? マルチロングペグの魅力に迫る

技術の進歩はアウトドアの道具をよりコンパクトに、より軽量にさせてきましたが、そんな世のトレンドに逆行するかのようなプロダクトが、焚き火の道具を展開するTAKIBISM (タキビズム) から登場しました。

マルチロングペグ」は長さ約90cm、重量約1kgの超ヘビー級ペグ。一般的なペグは長いものでもせいぜい30cm位ですから、あまりにも大きいし、重たい。初見ではこれがなんのために役立つのかよくわからないと言うのが正直なところ…▲タキビズムの鉄製カップ “HANZAN” と比べるとその異様な大きさに驚く

ペグって軽い方がいいんじゃないの?
そもそもタキビズムのラインナップにテントもタープもないけれど、ペグって必要なの?
様々なギモンが頭を巡ります。

これは開発者に話を聞いてみないと。タキビズムのディレクターを務める寒川一(さんがわはじめ)さんを取材。話を伺うと、初めは冗談にも思えた製品の背景には、秘められた無数の機能が隠れていることが見えてきました。


〜開発ストーリー〜

これってそもそもペグなんですか?
 -ペグですよ。ちゃんと地面に刺さるし、ペグの形をしているから。どうやらマルチロングペグは「地面に刺す」というペグとしての機能を生かしつつ、タープなどの固定だけでなく様々な道具として扱うことができるプロダクトのようです。

開発の経緯を伺うと、

焚き火台の上にヤカンなどを吊すトライポッドを自作したい、とは言っても3本の支柱を束ねた製品はすでに沢山あるわけで、タキビズムらしさを備えたユニークなものができないかを考えていたところ、支柱を独立させて、トライポッド以外の用途にも使えるものを思いついたのだとか。

また時を同じくして、車椅子に乗っている方が、一般的な焚き火台だと高さが低すぎて満足に焚き火が楽しめないという課題を知ったそう。焚き火台を高い位置で使用することができる方法を考える必要が出てきました。

この2つの課題を見事に解決してくれたのがマルチロングペグだというわけです。


〜マルチな使い方〜

前述の2つの使い方を含めたマルチロングペグの機能をご紹介。

トライポッド3本のマルチロングペグをカラビナで束ねることで、たちまちトライポッドに早変わり。”ブレストゥファイヤー“をぶら下げればヤカンを吊ることも可能です。

ツールハンガー5本使用するとトライポッドにツールハンガー機能も持たせ、さらにリッチな焚き火空間が出来上がります。横に渡したペグにぶら下げたヤカンは、左右にスライドさせられるので火との距離も調節しやすいのだとか。

焚き火台を持ち上げる地面に打ち込んだ4本のマルチロングペグの上に焚き火台 “JIKABI” シリーズを乗せれば、焚き火台を宙に浮かせた状態で使用できます。立った状態で焚き火を楽しむという新しいスタイルの焚き火が可能に。地面を焦がすこともありません。これによって車椅子に乗った人でもちょうど良い高さで焚き火のあたたかさを享受できます。

ランタンハンガーシンプルに1本のペグを斜めに打ち込めば、ランタンなどの道具を下げるハンガーに。

薪スタンド4本のペグを互い違いに打ち込めば、薪のストックスペースが生まれます。

風避け市販の幕体と組み合わせていわゆる陣幕に近い形の風防を作ることも。直接地面に打ち込めるのでガイラインが不要なのが特徴です。


 -マルチロングペグには無限の可能性がありますからね。
と寒川さんは語る。

 -例えばね、2階建ての焚き火もできますよ。下の焚き火ではお湯を沸かして、上の焚き火では料理ができるんですよ。調理に必要な道具はこうやって周りに吊り下げて…

なるほど、焚き火を追求していくと、ここまでいくんですね。なんだか異様な光景ですが、焚き火で料理をしたいときにはちょうど良いのだそう。

 -ちなみに普通のペグとしても使えますよ。例えば砂浜なんかのような普通のペグが効かないような場所ではこの長さが生かせます。

寒川さんにマルチロングペグを語らせると、取材の最中にもどんどんと新しいアイデアが生まれていくので、1日では到底紹介しきれそうにありませんでした。

 -1,000本くらいあれば家だって建てられちゃうかもね。
少年のように目を輝かせて寒川さんは言う。

ペグに設けられたフックや穴も、色々と生かせそうです。

寒川さんとしては、上記に挙げられた使用例に限らず、思いついた使い方をどんどん試してほしいと言います。

アウトドアの道具はあらかじめ決められた用途に従って使用するものが多い中で、使い方を使用者に委ねる製品も珍しいのではないでしょうか?シンプルな形だからこそ自由に創意工夫して、自分なりのアイデアを形にできる余白が残された、ユニークな焚き火の道具が誕生しました。


ブランド:タキビズム
商品名:マルチロングペグ
内容:ペグ、先端保護キャップ
サイズ:長さ 約900mm、幅約60mm、ヘッド頭頂部径(叩く部分) 約30mm、本体部直径 約13mm
重量:約1,000g (1本あたり)
素材:鉄(艶消しクリア塗装)
価格:
1本 ¥4,950(税込)
5本 ¥19,800(税込)
> UPI ONLINE STORE ※2023/12/15(金) 11:00販売開始

寒川 一(さんがわ・はじめ)
寒川 一(さんがわ・はじめ)

1963年生まれ、香川県出身。アウトドアライフアドバイザー。TAKIBISM ディレクター。アウトドアでのガイド・指導はもちろん、メーカーのアドバイザー活動や、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディア出演など、幅広く活躍中。とくに北欧のアウトドアカルチャーに詳しい。東日本大震災や自身の避難経験を経て、災害時に役立つキャンプ道具の使い方・スキルを教える活動を積極的に行っている。