氷点下の環境で戦うクロスカントリースキーヤー、ウールパワーの有用性を語る

ウールパワーは、スウェーデン創業で人の命を守るためから生まれたメリノウールウェア。厳冬で過酷な環境の北欧でもあたたかに過ごすためのアイテムが揃っています。今回は、クロスカントリー・プロスキーヤーの石川謙太郎選手がプロアスリートとしてウールパワーの有用性について語ってくれました。

石川選手は、ユースオリンピック冬季競技大会で銀メダルを獲得。クロスカントリーの本場、世界でも1位2位を連ねるノルウェーのプロチームに所属経験などの多くの実績を持つプロスキーヤー。現在は2026年ミラノ冬季オリンピック出場を目指し滋賀県スポーツ協会に所属し活動中。
スキーは、父親がクロスカントリーの選手・指導者だったこともあり3歳から始めジュニア時代から世界のトップレベルで戦い抜くスキーヤーだった。しかし、その後は自身のモチベーションをうまくコントロールできずに一度はスキーを辞めたいほど成績が振るわなかった。このまま終わるわけにはいかないと改心し、トレーニングやマインドを考え直した結果、世界選手権で世界6位にまで返り咲く。その後も、順調に成績を残していく。
クロスカントリースキーは、ノルディックスキーとも言われ雪山をスキーで滑るスポーツ。-10°Cを超える氷点下の過酷な環境で走り、滑りぬくスキーはスピーディーで最後まで勝負が分からないところが見どころ。現在は雪のない時期なのでローラースキーでトレーニング中。雪山で滑る感覚を忘れずに、雪山での滑りをより速くするために、オフシーズンのトレーニングはオンシーズン以上に意識は重要。


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―ウールパワーというブランドを紹介されてどんな印象を持ちましたか?
 実は2023年3月に行われたクロスカントリーの大会、バーサーロペット・ジャパン(※)に出場した際に雪の上に裸足で着替えていたこところに、ウールパワーの日本担当のクリスチャンさんに靴下を渡されたんです。「雪の上だと足が寒いでしょ?これを履きなよ。絶対あったかいよ」と(笑)言われるがままに、レース直後で足が雪で濡れて冷え切っている状態のまま、手渡された靴下を履いたら 「あったかい!!」って本当に思いました。雪の上で履いたのにこんなにあったかいと感じたのは初めてでした。

(※)本大会で石川選手は優勝しています。

―実際に、他のアイテムを含め現在のロードトレーニングや雪山で着用してどう感じましたか?
 北海道の雪山でのトレーニング中に、今着ているもの(ティーライト)や厚い方(クルーネック200)を 着用してみたのですが、保温性と断熱性は本当に高いです。生地が厚い方はレースのインナーに着るには少し厚すぎますが、トレーニングにはこれ1枚で快適と感じました。
僕はレース中のインナーは袖周りのゴワつきが気になるので半袖インナーを着用するのですが、ティーライトはレースもトレーニングもどちらも一年中快適に滑れるアイテムで保温性、吸収力、着心地も完璧です。
-10°Cを超える氷点下の雪山をたくさん経験しているスキーヤーでも寒いことには変わりありませんのでウールパワーは抜群の保温性で重宝します。

 

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ローラースキーのトレーニングでティーライトを着用 teelight_imag2

高低差の激しい道をローラースキーでのぼる

ローラースキーは、雪と違って地面が硬く簡単に止まったりすることができるので道具に頼れば”ロードでは”速く走れるようになります。
このトレーニングで大事なのは、雪山の感覚を忘れることなく自分の滑りがきちんと表現できるか。歩くだけでも息が切れるような坂道を、何セットも滑り続ける石川選手の動きには圧倒。

―ソックスも履いて頂いていますね、ソックスを履いた感じはどうですか?
 初めてクリスチャンさんに手渡された時もそうですが、ソックスのあたたかさにもびっくりしています。クロスカントリースキーヤーは、雪山をいかに速く滑れるかを競うのでブーツは軽量化を重視し柔らかい素材のものを履いています。
レース中は、足に氷水をかけられながら滑っているようなもので、ソックスは常にびしょ濡れだし、足先は冷たすぎて感覚がありません。いくら体が熱くなっても、足先は神経が少ないのでどうしても冷えてしまいます。
気にしないようにはするのですが、やはり寒く冷たいのが気になってしまうので集中力が途切れてしまう瞬間はあります。その点、ウールパワーのソックスは冷たいという感覚がかなり軽減しました。(雪山時にはソックス400600を着用)

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今回はクッション性と通気性を兼ね備えたスキルドクラシック400を着用 socks_image

冬のブーツと同じなので蒸れやすく、通気性のよいソックスを合わせたい

―ブーツを履いていたら濡れないものだと思っていました。どんな点がパフォーマンスアップに繋がりましたか?
 ”寒い・冷たい”ということを気にしなくていいので、滑りに集中できる点がパフォーマンスアップに繋がりました。ウォーミングアップは体も温まりきれていないのでアップから冷やさずに入れるのも良い点です。

―それだけ過酷な環境での競技ですが、今までどんなアイテムを使っていたのでしょうか?
インナーはこれといったメーカーはないのですが、スキー専門店で売られているようなもので(化学繊維由来)、メリノウールという素材もウールパワーに出会うまで正直知りませんでした。ソックスはいわゆるスポーツ用品店で売られているような一般的なソックスです。濡れてしまったら乾きも悪く寒いし不快感はもちろん高いです。

スキー用の専門のソックスがあるのかと思いました。これは意外で驚きです。その環境にいるだけで寒いのに濡れてしまったら想像しただけで厳しいですね・・・。

―色々と体感頂いていますが、ウールパワーのウェアは冬季スポーツのアスリートにも有用と感じますか?またどんな人におすすめしたいですか?
 はい、スキーヤー目線としても有用と感じますし体感してもらいたい気持ちもあります。真夏での着用は少し暑すぎるかもしれませんがそれ以外でしたら着心地と特に保温性はおすすめしたいです。
スキーヤー目線から外れても、防寒対策として普段着としてもかなり重宝すると思います。あとは冬に外で仕事をされている方や、選手の保護者の方で応援に来る方にも!応援は動かないのでかなり寒いですからね。

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―最後に今後のシーズンに向けて意気込みをお聞かせください。
 目標は3年後のミラノ冬季オリンピックに出場です。その日本代表に選ばれるためには、日本国内のレースや選考会で勝ち抜くことはもちろんですが、海外の大会にも出場し、世界に目を向けて世界で戦える、記録を残す選手として力をつけていきたいです。大学卒業後すぐに世界トップレベルのノルウェーに挑戦したことも、世界で戦える選手になるために海を渡りました。当時は、トップレベルの技術が得られる。という理由で受け身になっていたこともあり、うまくいかずフィットしないことが多かったです。
しかし、日本に戻ってから北京オリンピックの時に引退した方がコーチになってくれたことが僕にとって大きな転機で、そこから成績もどんどん上がってきました。今まで自分の選手としての甘さ、勉強不足を突きつけられました。
選手としての考え方や教えを乞うたことで、ノルウェー在籍時代の技術が理解できるようになりました。正直、遠回りをしてしまっていますが、成績もついてきてるのでかなり自信があります。これからはもっと”間違っている時間を減らす”ことで日本代表としてオリンピック出場を果たしたいと思います。

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UPI本社前で社長・副社長と。

TEXT,PHOTOGRAPHY/HANAKO YAMAZAKI
RACE PHOTOGRAPHY/KENTARO ISHIKAWA

 

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